「子どもに矯正をさせたいけど痛みに耐えられるか不安」「なるべく痛みを感じない矯正治療をさせてあげたい」そう思う親御さんに向けて、本記事では、インビザラインファーストと呼ばれる矯正治療について解説いたします。

 

インビザラインファーストとは

インビザラインファーストは、お子さまの成長とともに変化する顎の成長を活用して、歯並びを整えるための矯正治療方法です。従来の矯正装置とは異なり、取り外し可能で透明なプラスチック製矯正装置を使用します。そのため、口内の衛生状態や、子どもたちが一般的に嫌がる金属製ブラケットやワイヤーの使用を避けることができ、見た目の美しさを保つことができます。

 

インビザラインファーストの効果はどのようなものがある？

歯並びが悪いと、お顔にゆがみが生じる、発音が悪くなる、むし歯や歯周病にかかりやすくなるといったトラブルが生じる可能性が高くなります。インビザラインファーストで早期に矯正治療を行うことによって、より健康的で美しい口元を作り出すことができます。

この治療法では透明なマウスピースを使うため、矯正装置が目立ちにくく、お子さまが周りの視線を気にすることなく治療を進めることもできます。また、装置を取り外すこともできるので、装置、口内どちらの衛生状態をも維持することができます。食事の制限がないことや、使用している装置で口内を傷つける心配がない点でも子どもたちのライフスタイルにあった矯正治療だといえるでしょう。

 

ワイヤー矯正とインビザラインファーストの違い

ワイヤー矯正は、ブラケットと呼ばれる金属片を歯に接着し、それらを結ぶワイヤーによって歯を動かします。この従来の矯正治療方法は歯の動きを非常に精密に制御することが可能ですが、目立つため周囲からの視線を過度に感じてしまう人もいます。また、矯正装置を常に着用する必要があるため、食事制限があるほか、ブラッシングやフロッシングが難しくなる場合があります。一方、インビザラインファーストは透明で取り外し可能な矯正装置を用いて歯を動かします。そのため、見た目への影響を最小限に抑え、食事がなく、また、日々のケアもワイヤー矯正に比べると簡単です。

 

お子さまが感じる痛みを軽減させるための方法

ワイヤー矯正の場合、ぶらｔと呼ばれる突起物が口内の粘膜に当たって痛みを感じたり、出血することがありますが、マウスピースはその心配がありません。歯が動くときは痛みを感じることがありますが、我慢できないほどの痛みが生じることは少ないと言えるでしょう。このように、インビザラインファースは既に痛みを最小限に抑える設計となっていますが、更なる工夫をすることも可能です。

①アライナーの取り扱い

 新しいアライナーは最初の数日間は少し不快感と小さな痛みを感じることがあります。そのような時は、夜寝る前に新しいアライナーに切り替えると、寝ている間に慣れるので痛みを軽減することができます。

②口腔ケア

正しいブラッシングとフロスを行うことにより、歯と歯肉を健康に保つことは、痛みや不快感を抑えるためにも重要です。

 

子どもが治療を嫌がるのを防ぐために

子どもが歯医者を嫌がる理由として、独特な音やにおいがすること、慣れない場所で知らない大人に囲まれることや口を触れられることなどがあります。さらに矯正治療は、診療後も

痛みや不便さを感じたり、見た目に影響を及ぼすため、治療を嫌がるお子さまは少なくないことでしょう。インビザラインファーストはこれらを大きく軽減する作りになっていますが、次のようなアプローチを取るとよりスムーズに進められます。

(1)コミュニケーション

子どもが何を心配しているのか、どんな期待を持っているのかを理解し、それに対応することが重要です。さらに、これからどのような治療を行う予定なのか、予め伝えてあげることもお子さまの不安を軽減させる良い方法です。

(2)ごほうび

嫌がらずに歯医者に行けたり、指定された時間を守って装置を着けられたらご褒美をあげる、という制度を設けているご家族もいらっしゃいます。お子さまが達成感、楽しみを感じながら、長期的な矯正治療に前向きに取り組めるようになります。